満開の桜の下で 参列者ご家族・ご親族15名 式場江古田斎場(直営) 形式仏式 家族葬 楽しんだお花見の思い出 「早く桜が満開にならないかなぁ、それまでは頑張らないと。」 その願いは叶うことなく、お父様は逝かれてしまいました。 「最後にもう一度だけ、満開の桜の下でお花見をさせてあげたかったね。」 ご長女様はお棺に眠るお父様を見つめ、少し悔やまれたご様子で話しかけられました。 元気だった頃は毎年この時期になると、老人クラブのご友人とお花見に行かれ、 その帰りは決まって千鳥足だったので、お母様はいつも心配して待たれていたそうです。 「もう、歳なんですから事故にでもあったら、大変なことになりますよ。ほどほどにして くださいね!」 お母様の困り果てた様子にいつもお父様は「大丈夫だよ」と気分よく返事をされていたそうです。 10年ほど前、お母様に先立たれてから、お父様は寂しさで次第に気力を失い、体調を崩すようになりました。 亡くなられる一週間前、病床で「今、桜が満開になってる頃だ」 「今度はお母さんと行きたい」とうわごとのように言われていたことを聞き、担当職員はお花見の気分を少しでも味わえていただけたらと、生花の桜を一枝用意しお父様に手向けて差し上げるようご長女様にお渡ししました。 お蓋(ふた)閉めの前、お父様のお顔のそばに手向けられ 「桜を間近で見ることができて良かったね。お母さんにも持って行ってね。」とお別れの言葉を告げられました。 お父様にとって「桜」は年に一度の楽しみであり、お母様にとっては心配の種であったとしても、ご長女様にとってはご両親とのかけがえのない日々を過ごされた想い出として生き続けていくのだと感じました。 その他の葬儀エピソードを読む