旅先での忘れられない味 参列者ご家族・ご親族10名 形式仏式 家族葬 家族と最後の食事を迎えて ご葬儀後の会食はコロナの影響で控えられるご家族が多いなか、家族だけだからと希望される方もいらっしゃいます。 ご次男様の趣味は”全国食べ歩き”で、ご当地の料理を楽しみに休日はいつも出かけられていたそうです。 病を患われて行けなくなってからは旅先で撮った料理の写真を見ながら、「今一番食べたいのは”ひつまぶし”。蒸さずに直に焼く関西風の香ばしい味わいが忘れられないな。」と病室で言っていたこと。打ち合わせの時にお兄様からその話を聞きました。 「家族だけなので最後の食事と思い、このような時期ですが可能でしょうか?」 とお母様の問いかけに、担当の職員は「座席の間隔も開け、テーブルには仕切りのアクリル板も設置し、窓を開けて換気とアルコール消毒もしておりますので感染症対策は万全です。さらにお食事中も会話をされるときはマスクの着用をお願いし、会食のご要望を承っております。」 とお伝えしました。 お母様は安心された表情で、料理のメニューからご次男様の好きだったものを選ばれていました。 担当の職員もお母様とお兄様に喜んでいただけたらと、メニューにはなかった”ひつまぶし”を ご次男様の供養膳として料理業者に無理を承知でお願いをしたところ受け入れてくれました。 葬儀当日、式を終え会食室のテーブルに並べられた料理とご次男様の席、ご遺影の前に用意した ”ひつまぶし”。 それに気づかれたお母様は少し涙ぐみながら「久しぶりに外での食事で、 こんなことまでしていただけて本当にありがたいです。」 お兄様は「今は楽になって好きなだけ味わっていることと思います。また食べ歩きの旅にでかけていくことでしょう。」 お二人からの感謝と気持ちの言葉はまるでご次男様が生きているかのように感じられました。 これからもご家族に寄り添い、亡くなられた方の想いを大切にしていかなければと思いました。 その他の葬儀エピソードを読む